Symphonyの一言メモ
暗い迷路に迷い込んだような不思議な世界が目に浮かび、甘くて少し毒のある感情が混ざり合う様子にぞくぞくしました。美しさと狂気が同時に存在する場面は絵本の裏表紙をめくるようで、怖さがあるのに目を離せない魅力がありました。囁くような声や繰り返される旋律は耳に残り、何度も反芻すると新しい意味が見つかる気がしました。逃げられないという緊張感は胸を締めつけましたが、その緊張が逆に集中力を高め、細部に宿る色合いを拾う手助けになりました。罪と赦しが同居する場面では、正解が一つではないことを教えられ、白黒で割り切れない人の心の深さを知ることができました。悲しみや苦しみが混じる中にも希望の光がちらつき、最後まで目を離さずに見届けたくなる余韻が残りました。音や言葉の重なりが物語を形作り、読むたびに違う風景が立ち上がる作品だと感じました。