Oblivionの一言メモ
忘れていく感覚が静かな波のように広がり、指のすき間からこぼれる砂を眺めているような心持ちになりました。掴んでいたはずの景色が薄れていくとき、無理に呼び戻すより、今ここに残る温度を確かめるほうが穏やかだと感じます。時間の流れに逆らえない悔しさもありましたが、痕跡は消え切らず、微かな輪郭として胸の奥で点滅していました。はっきりした形が遠ざかるからこそ、音の響きや光のゆらぎのような小さな手がかりを集め直したくなります。奇跡のような瞬間は夢のように脆く、だからこそ丁寧に扱う姿勢が必要だと素直に思えました。空白に向かう旅路には怖さが伴いますが、足元の一歩を軽く置くことで、進む角度が少し整いました。忘却は失い続ける行為だけではなく、重なり過ぎた記憶を薄くして、今を見通しやすくする働きも持つのだと受け取りました。名前を付けられない感情を抱えたままでも、呼吸をゆっくり整えると、見えない輪郭がやわらかく近づいてきます。消えてしまうものに抗うより、残っている微光を集めて並べる作業が、暮らしの中の静かな強さになるのだと確信しました。