紀子は笑っている
俊夫は止まっている
正雄は酒飲んで遠くを見ている
変な食卓
紀子は俊夫を見ている
俊夫はうつむいている
正雄は酒飲んで遠くを見ている
変な食卓
紀子は悲しんでいる
俊夫は笑っている
でも正雄は酒飲んで遠くを見ている
変な食卓
紀子は笑っている
俊夫も笑っている
まだ正雄は酒飲んで遠くを見ている
変な食卓
居心地が悪くて 私は席を立つ
ごちそうさまを誰に言えばいい?
変な食卓
さようなら さようなら
さようなら さようなら
さようなら さようなら
私が育った 変な食卓
[ Romaji ]
家族が揃っていながらも、それぞれが別の方向を向いている食卓の、何とも言えない違和感と孤独が冷徹に捉えられています。笑い声と沈黙が混ざり合う不自然な空気の中から、ついに席を立つ「私」の決意に、静かな自立の痛みを感じました。自分が育った場所を「変」と呼び、さようならを告げる後ろ姿に、複雑な家族の歴史が透けて見えます。