風が髪をそっと撫(な)でる
波のしぶき頬(ほほ)を濡らす
ひとりで身をひく こころも知らず
黄昏(たそがれ)せまる 若狭(わかさ)の海は
あなたの想い出 胸に胸に溢(あふ)れます…
今は辛(つら)いけど いつか忘れます
車窓(まど)が息で白く曇(くも)る
指で好きな名前書くの
消したい消せない おんなの弱さ
風花(かざはな)さむい 能登路(のとじ)を行(ゆ)けば
やさしいぬくもり 欲しく欲しくなるけれど…
二度と戻れない そうよあの愛に
汽車の警笛(きてき)空で哭(な)いた
星がひとつ流れ落ちる
こころの迷いが 溶(と)けてくように
漁火(いさりび)ゆれる 越後(えちご)の旅は
あしたへ出直す 夢の夢の始発駅…
あなたさようなら 強く生きてゆく