柔らかな匂いを運ぶ風が
頬を撫でてゆくのに
行き場のない手を握りしめるあたしは
あの日のキミを思い出す
指切り交わしたおぼろ月の夜 果たせないまま手放した夢
消えないキミのぬくもりだけが
ため息に混じりこぼれてゆくけど
舞い散るサクラの花びらさえ
面影に消えてゆく
この胸に焼き付くキミの笑顔は
枯れる事はないけど
サクライロしたふたりの思い出は
ナミダイロに染まってゆく
ちぎれた未来はもう来ないけど あの日と変わらず広がる空
遠ざかるキミのぬくもりが今
春風に代わりあたしを抱きしめるけど
舞い散るサクラの花びらさえ
滲んだ瞳に溶けてゆく
遠ざかるキミのぬくもりが今
春風に代わりあたしを抱きしめるけど
舞い散るサクラの花びらさえ
滲んだ瞳に溶け
華やぐ街でキミを探す事が当たり前になったけれど
キミにとってあたしはただの景色なんだろう
あの日のサクラのように
巡り巡る季節の中 ずっと言えなかった言葉
やっと言えそうな気がするよ
「サヨナラ・・・」