これが光秀の本音にござります
一寸の虫にも 五分の魂
やらねばやられる 戦国の掟
わしは主(あるじ)を間違えたようじゃ
美濃に生まれて 近江に賭ける
坂本城(しろ)が命の 男の夢を
心変わりの 信長さまに
義理も恩義も 情けもすてて
俺も男の 俺も男の 意地がある
さわぐ心を 愛宕の山で
かけた願文 勝軍地蔵
時は今だと 決意に燃える
勝つか負けるか 運命(さだめ)にまかせ
修羅の炎が 修羅の炎が 渦を巻く
天下分け目の 戦(いくさ)に敗れ
無念 光秀 涙の雨に
風が無情に 袖ふきぬらす
おちて小栗栖(おぐるす) 闇夜の薮で
武士は散れども 武士は散れども 桔梗(な)は残る